釧路空港に到着し、空港ターミナルビルに入ると、目に飛び込んで来たのが、「厚岸ウィスキー」の広告で、釧路にもウィスキーの蒸溜所があるんだと思い、預けた荷物が出てくるまでの待ち時間で調べると、入手が難しく、幻に近い存在とわかってきた。蒸溜所見学ツアーは、近くにある道の駅 コンキリエのイベントとして開催されている様子だけど、2023年は10月以降の土日開催が基本的という雰囲気。
今回の旅は、阿寒湖近くのホテル「カムイの湯 ラビスタ阿寒川」に宿泊するので、もしかしたら、晩御飯の時に飲めるかな、と期待を胸に膨らませて向かう。
夕食のメニューに「厚岸シングルモルトジャパニーズウイスキー啓蟄」があるのを見つけて、オーダー。1杯 3,000円。
ロックグラスを口に運ぶと、フルーティな味わいを追いかけるような強めのスモーキー香り。おいしい。ロックグラスの氷が溶けるたびに、まろやかな味わいに変化して飽きない。
「啓蟄」とは、二十四節気の立春、雨水、啓蟄と3番目、冬籠りの虫が這い出るという意味で、春の訪れをイメージしたネーミングで、新しい季節を感じる力強い味わいだった。
厚岸蒸溜所は、北海道では余市蒸溜所に次ぐ2番目の蒸溜所。スコットランドのアイラウイスキーをリスペクトして作っている蒸溜所で、ジャパニーズアイラモルトを目指している。釧路 厚岸は、海霧に覆われる地形で、その点もアイラのような風土とそっくり。2018年に最初の製品を出荷、2022年には厚岸ブレンデッドウイスキー処暑」がワールド・ウイスキー・アワード2022の「ワールドベスト・ブレンデッドウイスキー」部門にて世界最高賞を受賞した。