ブラック会社によろしく話題になっている作品です。
2013年7月23日現在、「STOP! デスマーチ」・「エピソード・クロ」の2つ作品を読むことができます。システム・エンジニアさんのお話ですが、もともと製造業(金属加工業)で仕事をしていたおおひがしの胸に突き刺ささりました。
ブラック会社によろしく via kwout
二次利用 自由
ウエディングサービスサイトの”ぐるなびウエディング”さんの企画です。
「ブラックジャックによろしく」作者 佐藤秀峰さんが2012年9月15日より作品の二次利用を完全に自由にしたことによって、「ブラック会社によろしく」が成り立ちました。
STOP! デスマーチ
「そもそも僕らは何を作ってるんですか」この問いに”先輩”はきちんと答えます。「考える権利はない」
ハードウエアであれソフトウェアであれ、仕事をしていると「何を作っているのかわからない」と感じる様子が描かれています。
ここまで、酷い状況っは..「作っているのだから、せめてそのパートに関しては、何が出来上がるのか、知りたいです」ものくろはそう願っています。
現実は違いました。おおひがしの経験を振り返ると「きっと」コレは「だぶん」あんなものに使われるかも?と思ったり、そうでなかったり、もっとも納期がきつくそんなことを考える余裕もなかったです。
「考える権利も理由も時間もありませんでした」
仕事の割り振りは上司が全部決めていました。勝手に行動すると、不機嫌になります。サービスポイントがたまると怒鳴ります。ポイントがたまらない場合は、「指示が無いと仕事できないのか。考えろ自分で」と。考えて動くと、振り出しに戻ります。無限ループです。
毎日がデスマーチでした。何せ、後から後から、近い納期の仕事を調整せずに詰め込む経営者さんでした。だいたい22時くらいに「終わろっか」と経営者さんが言葉を発しないと、何時まで仕事するのか全くわからない日々でした。
土曜日も建前は休みですが、とうぜんあれです。長期休暇も前日までわからない。正月もどこからスタートなのかわからない。今考えると、こんな働き方って、めっちゃおかしいとわかります。冷静に。でも中にいると判断力がなくなります。怖いです。
このストレスがキツかったのですが、タイムカードは定時打刻。せめて、毎日メモしていれば良かったと大後悔です。ログの大切さを学びました。代償が大きかったです。民事訴訟でも労災の審査でも、勤務時間がどれくらいなのか?が論点になっています。ふう。月の仕事している時間は、290から310時間はあるのですが。
脱線しました。「何のために働いているか?を考えてはいけない」ことは、とてもつらいことです。経験したので断言します。
エピソード・クロ
冒頭の言葉が重たいです。「名ばかりの法令遵守」どうして法律を守っていなくても企業は大丈夫なのか?です。
もちろん、法律を守らないか?どうか?がブラック会社の境界線とは、ものくろは思っていません。法律のグレーゾーンを抜けている企業もたくさんあるからです。
守らないなくても..なんとかなる理由があります。例えば賃金(残業代)未払いが不幸にもあったとします。困ります。
労働基準監督署に勇気をだして・こっそり相談するのですが、労働基準監督署は「不払いの賃金を払ってくれ」まずは本人が会社に言うことが条件と告げられます。それでも払わない時に労働基準監督署が介入するからとの、説明になります。
いや、その言葉を会社に言えないから”ココに来たんですけど”、会社と交渉できるなら、とっくにしています。ふう。オモッきり、会社と波風立ててないと、取り締まってくれません。逮捕権や送検できるのに...もったいない話です。
ブラック会社とは「人の健康を奪う組織」と思っています。どんなことであっても「健康」を奪う行為を平然と行っている会社が多いと思います。
会社が解雇するのは難しい?
労働者は守られている、と言う話になりますが、これは守ってもらうには覚悟と時間と労力が必要と感じています。法律ではも「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」と定められています。
そう合理的な理由・社会通念上相当とどうやって決めますか?細かい条件は何も書かれていないのです。解雇しにくい雰囲気ですが、解雇は出来ます。
その後に労働者が”合理的な理由でもないし・社会通念上もおかしい”と反論するシステムなんですよね。解雇する前に止める法律ではないのです。合理的かどうかを判断できるのは裁判官のみです。ですから時間がかかます。守られているけど、、解雇通告のあとから対応するのは”しんどい”と感じるのは私だけでしょうか。
共感できる?
どちらのエピソードも具体的なことを描かずに、限られたページ数で全体像がリアルに描かれています。こんな方向で「ブラックジャックによろしく 」を二次利用するのはなんだか寂しいです。こんなブラックなという話題が無くなることが当然だし、そういう社会でなくなって欲しいと思っています。
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