本屋さんのコンピューター書籍のコーナーに平積みされていて「あれ?」と目を引いた表紙だったのが、この1冊です。
発酵の技法 ―世界の発酵食品と発酵文化の探求 (Make:Japan Books)
技術書な雰囲気を感じるページ数の厚みを確認したあと、視線をタイトルの文字にゆっくり進めると「発酵の技法」とあります。あれ?ここ?コンピューター書籍コーナー?と確認して横を見ると、プログラム関係の書籍が溢れかえっています。
表紙の端をよく見ると、出版元がオライリージャパンさん。なるほど。コンピュータ書籍をたくさん出版されてる会社さんです。そして、同じく表紙の右下には赤い字でMake:のロゴマークがあります。
これは「食生活をハックする本かな?」と、手にしてパラパラと見てみると、オライリー書籍の独特な文字レイアウトとインクと紙の香りの中に「いやいや、いやいや、どうして、発酵に関する知識が濃厚にまとめられた一冊」と感じました。
発酵の歴史、関係する微生物、実際の発酵食材の作り方、など、ありとあらゆる情報が描かれている一冊でした。
そして、もう一つ、折々に描かれているイラストがとても優しく美しく綺麗なのです。これを見てるだけで「なんだかいいな」と、このイラストを眺めるだけでもワクワクするのです。
思わず、購入しちゃいました。
自宅に帰ってから、この書籍は参考資料がとても丁寧に巻末に案内されています。参考資料の書籍、インターネットの電子ドキュメント、ウェブサイトのURLもきちんと紹介されてます。
その後ろには用語集も3ページにわたり、細かな説明がありわかりやすいものです。
日本語翻訳の書籍ですが、オリジナルの原著が情熱を注がれて書かれていることを行間から感じます。
21世紀、コンピューターが中心のタイミングに、このような本が、しかも、コンピュータ書籍を、中心に出版する会社が出版してきたことも興味深いです。
また書籍の初めには、豊富なカラーの写真にて、様々な発酵食品、発酵のもとになる食材、実際に発酵を楽しんでいる様子や、発酵を支える微生物などが紹介されています。このページを読むだけでも、たくさんの学びがありました。
伝統発酵醸師の資格を持ち、レンタルキッチンスペースを運営しつつ、味噌作りやヌカ床など発酵料理の教室を開催している梅村さんに、この本を紹介したところ「すごい勉強になる」喜んでもらえました。