「フクロ」という言葉で何をイメージしますか?
スーパーの袋、紙袋、書類袋、色々あります。今読んでいる「知的生産者たちの現場 (講談社文庫)」では、特別な意味を持った言葉で紹介されています。
知的生産を行う秘書の視線
この「知的生産者たちの現場 (講談社文庫)」という本は、何も知らないままに”知的生産という言葉を産み出した”梅棹忠夫の秘書となり、その研究活動を支えた 藤本ますみ さんの「秘書の眼」に写ったことが書かれています。
フクロ
始めにご紹介したフクロについては、このように書かれています。
研究室に来た当初、掃除で見つけたたくさんの書類が入った紙袋を見つけて梅棹先生に聞くと、『今の仕事と直接関係ないものをファイルにいれないで集めて置いてあり、袋に入れてあるから”フクロ”と名付けている』と言われたそうです。
そして、実際に書類の整理にあたってみると、フクロの必要なわけがわかってきたそうです。今すぐに必要だと思われないけど、いつか要るかも知れない、左から右に捨ててしまうにはどうなのか?と思うものが意外と多くあり、そんな時にフクロの存在が役立つのです。捨ててしまうと後から欲しいと思ってもとりかえしがつかないですから。
いつまでも机にのっているのも目ざわりだ。そういう書類はフクロに入れてしまえば、ほっとする。フクロは時間の節約と机の上の美化、そして精神に安らぎをもたらす(梅棹)先生の知恵袋であった。
デジタルの知恵袋
この捨てるにはどうなのか?と困った自分は、スキャンしてEvernoteに保存しています。そう、いくら入れてもかさばらない「デジタルフクロ」を使っています。Evernoteがないと、机の上は書類であふれるし、本棚のスペースがすぐに不足します。
Evernoteに保存しておけば、後から探して取り出すことができます。この安心感が心地良いことに気づきました。
拝啓 梅棹先生、うらやましいでしょう。