2018年6月2日 大阪にて開催された WordCamp OSAKA 2018 セッションの一つ「Google検索最新情報2018」を聞き、検索エンジンの最新動向を学びました。
このセッションは、Googleの検索エヴァンジェリスト 金谷 武明さんの登壇でした。
本日はここにいます。スタッフの人数が多い! pic.twitter.com/ImRDN3xvMw
— 金谷 武明 Takeaki Kanaya (@jumpingknee) June 2, 2018
なお、はじめに「講演スライドの撮影はOKだが、SNSへの投稿は控えてほしい」との案内があったため、スライドの写真はありません。
記事の内容は、セッションを聞いた私、ものくろの主観でまとめたものです。
駆け足なまとめ
金谷さんから「今日は、情報量が多め」との言葉からスタートしましたが、メモを取りながら聞いていたら、一瞬でセッションのおわりになっていました。
- WordPressのAMPプラグインの開発に、Googleが参加して普及を推進している。
- 検索の結果(ランキング)はどのような仕組みで作られているのか?しっかり理解が必要。
- モバイルファーストインディックス (以下、MFI)は、スタートしている。レスポンシブデザインだと対応は不要。 多言語化サイトは注意点あり。
- 新しいサーチコンソールはデータの参照期間 (16ヶ月)と長く便利、PCとモバイルのフィルターを設定して分けて解析できる。
- インデックス カバレッジは、出ているエラーがすべて問題という意味ではない。
- Speed Updateは、極端に遅いサイトが影響を受ける。速度の優劣が、ランキングを大きく変化させるものではない。
AMP
Googleは、WordPressに対してAMPプラグインにフォーカスしており、プラグインの開発に参加していることが紹介されました。
AMPと言うと、モバイルの技術となりがちですが、セッションでは、デスクトップもAMPで動作させているサンプルが紹介されました。
サンプルサイトはこちら。
The DailyNews – Previewing another WordPress Blog
近日公開予定のAMPプラグインVer.1 で実装されたサンプルサイトはこちら。
https://travel-amp.xwp.io
ただし、プラグインを有効化するだけでは、導入できない点も留意が必要です。
そもそも検索結果はどうやって作られているのか
「検索は、ユーザーを連れてくる謎のサービスではありません」
「4つのステップ、プロセスから成り立っている、ロジカルな仕組みです」
このように、検索結果がどうやって組み立てられているのか、説明がわかりやすかったです。
その4つのプロセスは以下のようになります。
- デスカバリー(Webページを知る。通常、サイトマップを介して知る。)
- クロール(情報を取りに行く)
- インデックス(取ってきた情報をインデックスサーバーにて整理し、索引を作る。これで検索結果に表示する準備ができる。)
- ランキング (検索されたキーワードに関連しているWebページを、インデックスから抽出しランキングが生成される。)
モバイルファーストインディックス(MFI)
Googleのクロール(情報を取りに行くプログラム、通称、グーグルボット)は、二種類存在しています。1つは、デスクトップPCのブラウザーと同じもの、
もう一つは、モバイルデバイスで見たときと同じもの。
Googleのインデックスに登録されるデータは、これまではデスクトップがメインでした。モバイルは、サブの扱いとなっていました。これだと、デスクトップでは表示されているが、モバイルでは、表示されていない内容があっても、基本的には、検索ランキングを作るときの、データ(インデックス)が、デスクトップのアクセスしたときに基づいていました。
モバイルから、ページにアクセスしたときに、情報が表示されないことが起きており、不都合なので、インディックスを逆転させたのが、このMFIです。
MFIは、2018年春にスタートしています。切り替わると、サーチコンソールにて通知がある様子です。
レスポンシブデザインなら、MFIに切り替わっても、対応は不要です。
注意が必要なケースとして、多言語化されたサイトの場合が紹介されました。
多言語化サイトで使われるhreflangのタグ設定にて、デスクトップはデスクトップへ、モバイルはモバイルに、設定するようにとのことでした。
新しいサーチコンソール
Google ウェブマスター向け公式ブログ: 新しい Search Console は
こちらも、2018年はじめにリリースされました。
従来のサーチコンソールは最長90日のデータしか参照できず、CSVをダウンロード・作業して長期間のデータを解析する必要がありましたが、新しいサーチコンソールを使うと、最長 16ヶ月間のデータを参照できるようになりました。とても助かります。ダウンロードしてまでは、と面倒に感じていましたから。
ただし、従来のサーチコンソールの全てのレポートが、新しいサーチコンソールへ実装が完了されておらず、実際には、両方を行き来きして使っています。
新しいサーチコンソールの便利になったポイントは、検索パフォーマンスのレポートで、PC とモバイルの比較です。当ブログのデータですと、クリック率でモバイルの方が、40パーセントほどよくなっていることがわかりました。
新しいサーチコンソールの機能など要望は、メニューの「フィードバックを送信」から送ることができます。ただし、英語で。
インデックス カバレッジ
新しいサーチコンソールで、提供された機能です。
「エラー」のすべてが問題というわけではないことに注意です。
本日のイベントでご紹介した新しい Search Console のベータ版のインデックス カバレッジ レポートについて分からないことがあればはこちらのヘルプを是非ご一読ください!除外についてはすべて解消しなくてはいけない、というものではありませんのでご注意を!https://t.co/zFncqhtK4f#ecfairgoogle
— 金谷 武明 Takeaki Kanaya (@jumpingknee) May 30, 2018
検索エンジンからみて、例えば、noindex設定があることをレポートしているだけです。ただし、リダイレクトしたつもりがないページがリダイレクトされていることに気づくキッカケや、noindexの設定ページを確認する場合に使いやすいツールです。
金谷さん曰く「こんなにたくさんの情報を提供するのか、とちょっと驚いた機能」とのことです。
Speed Update
このアップデートは、2018年7月から、Webページの表示スピードをモバイルのランキング要素として使用するというものです。
このアップデートの目的は、モバイルの環境で、ページの表示が遅いことで、不便な状況を減らそうというのが狙いだそうです。個人的には、速さを競う目的ではないと感じました。早く表示できた方が、離脱率が下がってアクセス数は改善するのですが、この Speed Update とは無関係です。
Speed Updateの影響を受けるかどうか、調べるツールの提供予定はなしとのことです。
ただし、ページの表示速度を調べるツール(Speed Update とは関係なく)を、2つ紹介されました。
一つ目は、
もう一つは、Chromeの機能拡張です。
Googleの検索情報の入手するには
検索エンジンに関する情報を手に入れたい場合は、
を読むことからスタートできます。
質問は、ユーザーフォーラムに訪ねることができます。ただし、回答はGoogleは行わず、詳しいユーザー (とても詳しい方)さんからとなります。
ウェブマスター ヘルプ フォーラム – Google プロダクト フォーラム
オフィスアワーは、金谷さんのTwitterアカウントで、開催スケジュールが告知されるそうです。
セッションの後に個別で質問した2つのこと
質問1
新規記事を公開するたびに、Fetch as Google は必要ですか?
回答「新規公開記事では、やる必要はないです。新規記事は、サイトマップを登録していればクロールされるようになっています。Fetch as Googleの回数制限もあるため、何か問題が起きた時に、Fetch as Google を使えるように残しておく方がいいです。ただし、サイトマップだけと比較すると、 (etch as Google を送信していると)速くクロールされる可能性はあります。
質問2
Fetch as Google で、MFI がスタートしたので、「モバイル」を選んだらOKですか?
回答「あなたのサイトが、MFI に切り替わっているか?どうかによって異なります。切り替わっているなら、モバイルです。まだ移行していないなら、PC を選ぶ必要があります。
Twiiterから
医療や健康に関する検索結果についてのご質問もいくつか頂きました。まずはブログをご一読ください。そして何かご意見ありましたらぜひブログの通りPCからは「フィードバックを送信」から、モバイルの場合は「ご意見・ご要望」からお知らせください!https://t.co/sfbdI1NIeP
#ecfairgoogle— 金谷 武明 Takeaki Kanaya (@jumpingknee) May 30, 2018
最後に
Googleの検索エヴァンジェリスト 金谷 武明さんの講演は、3回目です。今回、2018年版に情報がアップデートされていました。