列車の旅が好きです-動画有-【BookReview】途中下車の味 宮脇俊三

熱心な鉄道ファンでありノンフィクション作家である宮脇俊三さんが、『楽しむ』という言葉をぎゅっと詰め込んだ一冊です。

ものくろが鉄道旅のすばらしさを教えてもらったのが、高校卒業の春休みでした。そして、線路の音を聞きながら、鉄路で旅する楽しさに“ドップリとのめり込む”きっかけになったのが、この一冊との出会いでした。今は絶版になっていますので中古のみになります。

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久しぶりに読みかえすと、細かな描写で綴られていながら、鉄道の専門用語はほとんど使わない心くばりのある文章に気づきました。

日本地図

本を開くと、日本地図が折りこまれています。旅の行程がわかる仕組みです。

松葉ガニを楽しむ寝台列車『出雲』の旅からはじまり、四国の清流、駅弁とワンコそばの盛岡へ、雪の米坂線の信越へ、美味しい話題と縁が無かった中央本線(木曽路)、秋田美人の津軽へ、廃線を迎える冬の北海道へ、スイッチバックと忍者な関西本線へ、寝台列車を楽しむ長崎へと。

鉄道の旅

登場する寝台列車はほとんど姿を消し、餘部鉄橋はコンクリートへ姿を変え、北海道のエピソードで登場した3路線は廃線になっています。今は失われた列車・路線の記録としても読み応えがあります。

同行の編集者との対比

無類の鉄道旅好きな作者である宮脇さんの気持ちと、同行の編集者“松家君“の気持ちの温度差や二人旅のやりとりが伝わります。内輪の話なんですが、読んでいて逆に興味を感じるのです。

旅の絶妙なバランスが表現されています。

鉄道が大好きな旅行記

どこから読んでも鉄道が大好きという、この一冊です。

その気持ちが極めりと感じる部分が『関西本線は忍者の里』にて表現されています。

伊賀上野の町のなかを二時間ばかり歩き、いろいろ見たが、観光ガイドブックの域を出ないので割愛する。

というくだりのあと、伊賀上野駅から列車の待ち時間が長いと分かったため、編集者の“松家君“が『車で行きましょう』と言った、その部分で物語が終わっています。

鉄道の車窓

鉄道に揺られ、今とは違う車窓に想いを馳せながら手にしたい旅行記です。

途中下車の味 (新潮文庫)
宮脇 俊三
新潮社
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次回の予告

文章を綴るのに親指シフトという入力方式を愛しています。ローマ字入力から親指シフトへ 切り替えたのは2年前でした。今振り返ってみると、独学で習得すると遠回りしていたなぁと感じています。お楽しみに。更新はTwitter・facebook・RSSにてお知らせしております。

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この記事を書いた人

大東 信仁

カンパチが好きです。

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