2014年5月6日 大阪 梅田 グランフロント ナレッジキャピタル C 8階にて開催された『梅悼忠夫と21世紀の「知的生産の技術」シンポジウム』に参加し、いくつか記事を書きましたが、部分部分を切り出していたのでまとめました。
梅棹忠夫先生とは?という方もおられると思います。この本を読んでください。
ものくろが語るより、この本がすべて。
あとWikiでいいかなと。
参加したのは午後からのシンポジウムパート、4つのセッションから構成された13:00-18:30までの5時間半の長い議論でした。大満足の体験でした。午前中に小長谷有紀先生による”マイクロ・ウメサオタダオ展解説ツアー”があったのですが、自分の勘違いで逃してしまいました。残念。
全体として
2011年に大阪万博公園にある国立民族学博物館にて開催された特別展「ウメサオタダオ展」をベースとしたものでした。
当時、この特別展を丸一日かけて見ていましたので、3年前を振り返りながら考えていました。モレスキンノートに聞きながら、見えたり湧き出てきた思考を文字に書きと、楽しい時間でした。
セッション1
「先端をハックする!先駆者達にとっての「知的生産の技術」とは」
- 東京大学大学院情報学環教授 暦本純一
- 明治大学先端メディアサイエンス学科専任講師 渡辺恵太
- 明治大学先端メディアサイエンス学科准教授 中村聡史
- 慶應義塾大学SFC准教授 中西泰人
文明学と情報学が融合する今の知的生産とは?がテーマかと感じました。このセッションの最後に質問をさせていただきました。
1点しかポインティングできないマウスト異なりマルチタッチデバイスの登場した意味を再確認する話から思ったのが、技術を製品に使って革新を起こしたのがappleだとも。知の融合という知的生産の例ですね。
家具の大きさを自宅でカンタンに形にできる装置や電子レンジで待ち時間に動画を見れるというアイデアを聞きました。逆に、欲しい家具の大きさや温めた食材のレシピなどを発信できないかなと考えていました。
また、とある装置での人の動きはキネクトを使って検出しているとの事でした。
質問させていただきました
「知的生産の技術が書かれた50年前では想像できなかったインターネットの出現によって、誰もが情報発信をできる今のアウトプットについてどうなのか?」を渡辺恵太先生にお答え頂きました。
誰もが情報発信できることで人生が変る世の中になっている、それを活かしていく。50年前はインターネットはなかったが、梅棹(先生)は博物館という形で情報発信を行っていたので参考になるのではないか?
このようにお答え頂き、貴重な時間をありがとうございました。質問してから「セッション4を待てよー」と堀さんに突っ込まれた質問でした。笑
質問をしておきながらですが、同じ人をなんども質問させることに疑問を感じました。
他の参加者の質問機会を奪うから、違う人に譲るべきだし、そこは運営側がコントロールすべきかと。「一度聞かれたので違う方どうぞ」の一言があれば良かったと感じます。私も質問を簡潔に聞けなかったのは反省点です。
参考リンク:梅棹忠夫と21世紀の「知的生産の技術」シンポジウムで講演しました | 中村研究室のウェブサイト
セッション2
「梅悼忠夫をリブートする!100刷目前の名著『知的生産の技術』とウメサオタダオ展」
- 国立民族学博物館教授 小長谷有紀
- フロムトゥ 黒瀬弧
- 日展 キタムラアキラ
- ATR Creative 高橋徹(モデレータ)
京大「型」カードというお話を聞けたセッションでした。その京大型情報カードに書いたことから記事にしたのがこちら↓です。
アウトプットの知的生産とは?を考えた -梅棹忠夫と21世紀の「知的生産の技術」シンポジウム-
小長谷有紀先生は全22巻の梅棹忠夫著作集を1ヶ月で走り読みしたということで、絶句しました。特別展「ウメサオタダオ展」では展示物にすべて出典(一次ソース)が書かれていたエピソードも聞けました。
セッション3
「探求!現役フィールドワーク研究者に聞く記録と意味」
時間調整で前段取りなしに発表時間をばっさり減らされてしまったセッション。個人的にはもっと聞きたかったお話でした。ここから突っ込んでいけるあたりで話が終わった雰囲気が残っています。この点については運営の都合もあるでしょうけれど、今後もうすこし考えていただきたいと思います。
福岡先生がそのなかでも時間ぴったりにわかりやすく話をまとめられていた、発表技術が印象的でした。
記録として動画の役割が大きいことを再認識しました。
セッション4
「ライフハック-IT時代の知的生産の技術」
- ブロガー・科学者 Lifehacking.jp (Evernoteアンバサダー) 堀正岳
- ライター ブログ R-Style (Evernoteアンバサダー) 倉下忠憲
- ジャーナリスト・コンテンツプロデューサー まつもとあつし(モデレータ)
参考:
- 君は梅棹忠夫を知っているか? 「情報デザインの未来・過去・現代」(大阪)に登壇します! | Lifehacking.jp
- R-style » 梅棹忠夫と21世紀の「知的生産の技術」シンポジウムに参加しました
- R-style » Evernoterから見た『梅棹忠夫と21世紀の「知的生産の技術」シンポジウム』
楽しみにしていたセッション。情報に何を付け加えるのか?を考える機会になりました。情報カードとEvernoteとの比較論が楽しかったです。ものくろもワークショップを開催するアイデアや事務準備などにEvernoteなしでの作業は考えられないです。
「メモ」につくても興味深い議論でした。”着想を定着”するのと、”目の前のことを記録”するのは求められるスピードが違い、iPhoneで記録向きなこと、手書きが優れていることを理解して使い分けていくことがポイントだと思いました。筆跡も含めて情報なんですよね。急いで書いたのか、ゆっくり書いたのか、その気持ちを形にできるわけです。
「意図しない情報発信」を行ってしまう時代。これはiPhoneなど便利ですが、アプリなどを介して自動でネットへ送信することが多くなっています。例えば、facebookでもアプリ(一年を振り返るなどのアプリです。問題になりました。)から自動での情報収集ですね。これとも向き合っていく時代になってきたと感じました。
全体を通して
セッションの中で多くの本が紹介されました。その場でiPhoneからAmazonで購入した3冊を紹介してます。 梅棹忠夫と21世紀の「知的生産の技術」シンポジウムに参加して、購入した本リスト
リアルタイムでSNS(facebook)へコメントを発信しまし、ブログにてひとまとめにしたのがこの記事です。
【梅棹忠夫と21世紀の「知的生産の技術」シンポジウム】でのfacebookへの”つぶやき”まとめ
もっとも強く残った言葉があります。
自分のために文章を書く
梅棹先生の言葉です。膨大な量の文章を形にされました。これらのおかげで2014年の今日も”まるで一緒に議論しているかのように”知的生産について議論が行われました。
ものくろ も このブログ ものくろぼっくす にログとして記録を発信し続けます。