書評を書くということ
書評のおしごと―Book Reviews 1983‐2003
2005年、つまり、10年前に書かれた書籍です。住んでいる図書館を訪れ、静寂とインクの香りする本棚にて、自然と手が伸びていました。自分自身がブログにて、本を紹介する記事を書いていて「書評」というキーワードが目に飛び込んできた感覚でした。
このように偶然の出会いが起きる図書館や書店は楽しいですね。そして、オセロの両サイドを取れたことで、パタパタと色が変わるように、脳の知識が繋がっていく感覚が好きです。
話題が逸れました。「あとがき」を読み進める中で、著者の橋爪大三郎さんの考え方に触れることができ「なるほど」と声を上げて(実際は図書館なので、グッと我慢して、心の中で)しまいました。
あとがきが必読
私は、書評は、必ず褒めることにしている。
この言葉(P.370)です。そして、このように続きます。
褒めるとは、共感するということ、好きになるということだ。著者の意見に賛成であろうと、反対であろうと、ともかく著者の側に立って、この本が書かれたことを喜ぶ。そして、そのことに、嘘いつわりがあってはならない。
書き方の参考が詰まっている
- 著者さんをどのように表現しているのか?
- どのように引用して表現しているのか?
- 本からどんなメッセージを受け取ったのか?
などなど、参考となる点が多くあります。鵜呑みにするのでなく「こういうアプローチもあるのだなぁと」考えることが大切です。
この本を作ろうとした情熱
この書籍は著者の橋爪大三郎さんが「とても勇敢な編集者」とあとがき(P.372)にて紹介されている 別府大吾さん の情熱で、一冊のカタチになったのではないかと推測しています。
そして、2005年から10年、この本へ時代が追いついてきたのかもしれません。