打ち合わせやセッションのあとの資料づくりが、Claudeを使うようになって楽に作れるようになりました。なので、さらに楽になるように自動化を進めましたら、いい感じにできました。
議事録をまとめて、PDFにして、スライドを作って、ナレーション付きの振り返り動画にして、お客さんに届ける。1件あたり、どうしても数時間かかっていた。
で、これを全部つないで途中で確認すると、どんどん進む感じにしました。
いまは、iPhoneのボイスメモで録音するだけ。
あとは文字起こしから資料づくりまで自動で進んで、僕は途中で「内容の確認」をするだけになっています。
この記事では、その仕組みを紹介します。
全体の流れ
流れはこうなっています。
- iPhoneのボイスメモで録音する
- iCloudが録音ファイルをMacへ自動で運ぶ
- Macの見張り番が新しい録音に気づいて、文字起こしを始める
- AIが文字起こしを読んで、振り返り資料の下書きを作る
- 僕がWeb画面で内容をチェックして、直したいところを日本語で指示する
- OKになったら、PDF・スライド・ナレーション付き動画が自動でできる
- ボタンを押すと、クライアントさん専用のWebページに資料が並んで、お知らせメールが届く


ベルトコンベアの上を録音データが流れていって、各持ち場の機械が自分の仕事をする。そんなイメージです。
人間の僕がやるのは、5番の「チェックと指示」だけ。ここは絶対に残す、と決めています。
登場する機械たち
それぞれの持ち場を、役割で紹介します。
見張り番 launchd
Macには「決めた時間や、フォルダに変化があったときにプログラムを動かす」仕組みが最初から入っています。launchdといいます。
これが30分ごと、そしてフォルダに新しいファイルが来た瞬間に起きて、「新しい録音、来てない?」と確認してくれる。僕が寝ていても見張ってくれる番人です。これを自宅で24時間稼働しているmac miniで動かします。
耳 Whisper
文字起こしは、Whisperという音声認識を使っています。Mac の中だけで動くので、録音した音声が外のサーバーに送られることはありません。
68分の録音が、22分ほどで文字になります。
ただ、こいつには弱点があって。長い無音が続くと、ありもしない言葉を延々と書き続けることがあるんですが、ここら辺のチューニングもClaude codeで全部自動で出来ました。
頭 Claude Code
文字起こしを読んで、話の要点・決まったこと・宿題・次回の日程を整理して、振り返り資料の下書きを作るのがAI(Claude Code)です。
ここで、この仕組みでいちばん大事にした設計の話をさせてください。
このAIは、ファイルを1つも書けません。読むことしかできない。
AIの仕事は「資料の中身をこういう内容にしてはどうですか」という提案データを返すところまで。実際にファイルを作るのは、昔ながらの普通のプログラム(Python)です。
AIは優秀だけど、たまに思いもよらないことをします。なので、書く権限そのものを渡さない。提案は全部、人間の検問所を通ってから形になる。この線引きだけは、最初から最後まで守りました。


声 VOICEPEAK
スライドに合わせて読み上げ音声を作るのは、VOICEPEAKという音声合成ソフトです。
人名の読み間違い対策に「読み方辞書」を作りました。人の名前を間違って読み上げた動画をお客さんに届けるわけにはいかないので、辞書に登録された読みへ機械的に置き換えてから音声にしています。
検問所 自作のWeb画面
途中経過はぜんぶ、自作のWeb管理画面(ダッシュボード)で見えるようにしました。
下書きを読んで、「3ページ目の言い回しをもう少し丁寧に」と日本語で書くだけで、AIが本文とスライドを直してくれます。OKなら「資料を作る」ボタンを押す。10分ほどでPDFと動画ができあがります。
外出先のiPhoneからも使えるように公開していますが、入り口はCloudflareでセキュリティも万全な設計にしました。
さらにサーバー側でもセキュリティチェックをおこなう二重の形にしています。
何がすごいのか
自分で言うのも何ですが、気に入っているところを正直に書きます。
移動時間が仕事になった
録音は打ち合わせ中に済んでいるので、帰りの電車の中で資料の下書きがもうできている。iPhoneでチェックして、指示を出して、家に着くころには動画までできています。
数時間かかっていた作業が、僕の作業時間としては数分になりました。
AIを信じすぎない設計
さっきも書きましたが、AIには書く権限がありません。
そして人間のチェックが必ず真ん中に挟まる。
「AIがぜんぶやってくれる」ではなくて、「AIは下書き係、決めるのは人間」。この分担にしてから、安心して任せられるようになりました。
失敗を前提に作ってある
やってみてわかったのは、自動化の本体は「うまくいかなかったときの対策」だということです。
実際には、何度もエラーだったり動画を作るときにアプリがクラッシュしたり、いろいろとレビューして何度もClaude Codeに指示を出して、仕組みを完成に出来ました。
この泥くさい部分が、たぶんこの仕組みの本当の値打ちですし、AIを使って仕事を進めるコツです。
まとめ
「録音するだけで資料が届く」は、魔法のような1つの技術で実現したわけではありません。
昔からあるMacの見張り番、無料の音声認識、AI、音声合成、普通のプログラム。それぞれは地味な部品を、ベルトコンベアでつないで、要所要所に検品と人間の検問所を置いた。それだけです。
ただ、その「つなぐ」が、いまはAIとの対話だけでできてしまう。
この仕組み自体、ほぼ全部Claude Codeとのやり取りで作りました。作りながら何度も失敗して、そのたびに直して、いまも育てている途中です。
同じように「あの定型作業、つなげられないかな」と思っている方の参考になれば嬉しいです。






