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【AI業務改善】外注に「丸投げ」してはいけない理由|外部委託で損をする本当のワケ

AIで業務改善を進めたい。でも自社にノウハウやAIを活用できる人材がいないから、いっそ外部の業者に任せてしまおう——そう考えていること、ありませんか?

実はそこに、これからの数年でじわじわ差がつく落とし穴があります。

この記事を読むと、AIでの業務改善で「外注してOKな部分」と「絶対に自社へ残すべき部分」の線引きが、スッキリ分かります。そして、自社の知見をちゃんと”貯めて”いくための、具体的な一歩が見えてきます。

なぜ私がこの話をするかというと、AIで社会が良くなってほしい願いがあるからです。

AI・DXコンサルタントの立場からすると、自分の仕事を減らしかねない記事かもしれません。「AIで御社の業務が回る仕組みを作ります」こう宣伝する方が仕事に繋がるかもしれません。

でも、

それだとこのAI革命の素晴らしさが、社会そして世界に浸透しないと感じています。

結論からお伝えすると——外注してもいい。

でも「学び」だけは、外に預けてはいけません。外部委託に業務が回る仕組みの作成を依頼すると、AIがブラックボックスになってしまいませんか?

外注するのは、「伴走して社内のメンバーと一緒に、組織の中でAIを使う時間を増やすこと」に注力してほしいと感じています。

きっかけは、マイクロソフトCEOのサティア・ナデラ氏が先日X(旧Twitter)に投稿した、ひとつの長文でした(原文はこちら)。

タイトルは「エコシステムなきフロンティアは、安定しない」。英語の翻訳だから、、ちょっとわかりにくく、少し難しい言い回しですが、中身はとてもシンプルで、AI時代の会社と仕事を考えるヒントが詰まっていました。

というわけで今日は、その投稿を専門用語をできるだけ使わずに、ひとつずつほどいていきます。

AI時代、会社には2つの「財産」がある

ナデラ氏はまず、これからの会社には2つの財産が必要だと言います。

ひとつは、人の力です。社員一人ひとりが持つ知識、経験、判断力、人とのつながり、そして「なんとなくこっちが正しい」と感じ取る勘のようなもの。

もうひとつは、AIの力(自社が自分のものとして育てて、コントロールできるAIの能力のこと)です。

ここで面白いのは、「AIが強くなれば、人はいらなくなる」のではない、という点です。

ナデラ氏はむしろ逆だと言います。AIが賢くなるほど、人の価値はもっと上がる、と。

なぜなら——

人が方向を示さなければ、AIはただ空回りするだけだ。

野心的な目標を立てるのも、バラバラの点と点をつなぐのも、「いま一番大事なのはこれだ」と見抜くのも、ぜんぶ人の仕事だからです。

AIはとても優秀ですが、「どこへ向かうか」を自分では決められません。

これは、私もAI講座やコンサルにて、声を大きくしてお伝えしている言葉と一緒です。

AI業務改善における「丸投げ」と「学習ループを自社に持つ」の分かれ道 外注に丸投げすると学びが業者に貯まり伸びる力を失う。学習ループを自社で握りAIエージェントでログを貯めるとフィードバックで自社が賢くなる、という2つの道を対比した図。 AIで業務改善 外注か、自社か? 丸投げ 外注に任せきり 学び・ログ 業者に貯まる 自社に残るのは 結果の"モノ"だけ 伸びる力を失う 学習ループを自社に 知見が貯まる仕組み AIエージェント ログが貯まる フィードバック ログを見て改善 自社が賢くなる
AIでの業務改善は「外注に丸投げ」すると学びが業者側に貯まり、自社には結果の“モノ”しか残りません。一方、学習ループ(知見が貯まる仕組み)を自社で握り、AIエージェントでログを貯めてフィードバックすれば、使うほど自社が賢くなっていきます。(サティア・ナデラ氏のX投稿をもとに作成/mono96)

いちばん大事な、ひとつの言葉

ナデラ氏の投稿の中で、私がいちばん大事だと思った言葉があります。

仕事は人に任せられる。でも、学びだけは外に出せない。

タスクひとつ、いえ、仕事まるごとだって、誰かに任せることはできます。

でも、その仕事を通して得られる「学び」だけは、けっして手放せない——そういう意味です。

ここが、今までの「外注」や「丸投げ」と、決定的に違うところなんですよね。

AI革命は仕事の定義が変わること

仕事は業務を回すことだった定義が変わりつつあると感じます。AIに仕事は任せることできる、そして仕事はAIがすごいスピードで進めていく。人がボトルネックになるぐらいの速度で。

でも、AIができないことは、その仕事の意味と意義。失敗、いや、失敗はなく全ては経験なので、経験から学び、閃き、発想することが仕事に変わっている最中と、私は、感じます。

この変化は大きく、狩猟で暮らしていたのに、農業が始まった、、狩りに行く能力でなく、作物を育てる能力にシフトした、そんな感じかもしれません。

「外注」と「丸投げ」は、まるで違う

ここで誤解してほしくないのは、「外注が悪い」という話ではないことです。

実際、マイクロソフト自身も、OpenAIやAnthropicといった外部と組みながらやっています。外部の力を借りること自体は、まったく問題ありません。

問題なのは、学びごと外に預けてしまう「丸投げ」のほうです。

たとえば、自社の業務改善を、まるごと外の業者にAIで作ってもらったとします。一回目の出来は、案外良いかもしれません。表面上は、みんなハッピーかもしれません。

でも、そのとき「どうすればもっと良くなるか」という学びは、ぜんぶその外部の業者さんのなかに貯まっていきます。

自社に残るのは結果の”モノ”だけ。

賢くなっていく”仕組み”のほうは、残らないんです。

要は——外注してもいい。でも、学習ループ(知見が貯まる仕組み)だけは、自社に残す。

これが線引きです。

なぜ外部委託に頼りきると損をするのか

AIのすごさは、使うほどに記録が積み重なり、その記録からまた賢くなっていく——この坂道を一歩ずつ登り続ける感覚にあります。

小さな改善が積み重なると、やがて他社が簡単には追いつけない差になります。

その坂道を、自社で登るのか。業者さんに登ってもらうのか。

外部委託に頼りきると、失うのは「今日の出来ばえ」ではありません。

「これから伸びていく力」のほうなんですね。

ここが、外注と丸投げの、いちばんの違いです。

ログを貯めるなら、チャット型AIより「AIエージェント」

ここで、ひとつ実践的なポイントをお伝えします。

「学びを自社に貯める」と言っても、ただチャット型のAIに質問して答えをもらうだけでは、なかなか貯まりません。

なぜなら、チャット型AI(ChatGPTやClaudeにその場で聞くスタイル)は、基本的に「聞いて、答えて、終わり」だからです。

しかも、チャットを後から探す手間は大変で見つからなくなりませんか?

チャット型AIは、仕組みとしては積み上がっていきにくいんですね。

そこで効いてくるのが、AIエージェントです。

AIエージェントは、実際の業務の流れの中に組み込んで動かすタイプのAIです(チャットのように一問一答で終わらず、手順そのものを実行してくれるイメージ)。

業務に組み込んで動かすと、「何を、どう処理したか」というログ(実行の記録)を自動で貯める仕組みを簡単に作れます。

そのログを見返して、「ここはこう直そう」とフィードバックしていく。これを繰り返すうちに、あなたの会社専用の”賢いやり方”が育っていきます。

ナデラ氏も、単発のAIに頼るのではなく、知見を貯めながら賢くなっていく「エージェント型の仕組み」を社内に持つことが大切だと言っています。

つまり——チャットで「答え」をもらう段階から、エージェントで「学び」を貯める段階へ。 ここがAI業務改善の、もうひとつの分かれ道です。

かつて、同じことが起きた

ナデラ氏は、過去の苦い経験も思い出させます。

かつてグローバル化が進んだとき、たくさんの仕事が海の外へ委ねられ、産業がまるごと空っぽになった地域がありました。

数字の上では問題なく見えても、現場では仕事が失われ、その傷は今も残っている、と。

同じことを、AIの時代にくり返してはいけない——彼はそう警告します。

ごく一部の巨大なAIが、あらゆる会社の知恵を吸い上げて、価値を独り占めしてしまう未来。

そうではなく、どんな会社も、自分の知恵を自分のものとして育てられる世界を作ろう、と。

これ、今の日本、どうでしょうか?

失われた30年で、たくさんの仕事が国内から消え、人材が海外に流出し、その結果、海外で魅力的であったり競争力のある製品が登場しています。そして、日本は沈んだままになっていませんか、、。でも、AI革命はチャンスと私は考えます。なぜなら、組織の暗黙知を見える形に短時間ですることができ、業務の生産性を誰かを犠牲にすることなく向上できる可能性を感じています。

では、私たちはどうすればいいのか

ここからは、ナデラ氏の問いを受けて、私なりに考えた「実際にどうするか」です。

結局これって、人を育てるときの話とそっくりだな、ということなんですよね。

1.自社の仕事を一番わかっている人が、AIを動かす

AIに頼むこと自体は、もう誰にでもできます。

差が出るのは、「自社の仕事の勘どころ」を知っている人が、その勘を使ってAIを動かせるかどうか。

外の業者に説明して作ってもらうより、中の人が自分で握ったほうが、ずっと速くて、ずっと深いんです。

2.使って終わりにせず、学びを会社に貯める

うまくいったやり方を、AIを使ってメモに残す。型にする。ログを見返して改善する。みんなで使えるようにする。

この「貯める」をやって初めて、AIは会社の財産になります。

やりっぱなしだと、せっかくの学びは消えてしまいます(コンサル12年の経験の中で、いちばん痛感したことでもあります)。

3.人の役割を「答えを出す」から「問いを立てる」へ

作業はAIが速い。

でも、「そもそも何のためにやるのか」「どこを目指すのか」を決めるのは、これからもずっと人の仕事です。

私が教えるときにいつも大事にしているのも、答えを渡すことではなく、その方の中から「わかった」「ご自身の中にあるイメージ」を引き出すことでした。

AI時代も同じで、答えを持っていることより、いい問いを立てて、相手(やAI)に伝える力のほうが、ずっと値打ちを持つようになります。

まとめ

最後に、もう一度だけお伝えします。

外注してもいい。でも「学び」だけは、外に預けてはいけません。

AIでの業務改善は、業者さんに丸投げするのではなく、自社が学習ループ(知見が貯まる仕組み)を握ること。そのためには、チャットで答えをもらうだけでなく、AIエージェントでログを貯めてフィードバックしていくこと。

その小さな選択の積み重ねが、これからの会社と、そこで働く一人ひとりの未来を、静かに分けていくのだと思います。

ぜひ、今日からのAIとの付き合い方を、ちょっとだけ見直してみてください。

この記事を書いた人

大東 信仁

カンパチが好きです。

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