価格は5千円後半。4号瓶でこの価格帯なので、お値段は高い。だけれども、それに見合う、いや、それ以上のおいしさだった。
2日に分けて飲んだ。
栓を開けた1日目は、フレッシュでキリッとしつつ、後味は華やかな味わい。一緒に飲んだ家族は、ワインみたいというぐらいだ。日本酒によくあるべっとりした感じが全くない。透き通った味を楽しめた。
2日目は、少し味が落ち着いていた。その分、艶やかさが増えて、しっかりとしたお米の旨みも感じる味で楽しかった。
このお酒は、高島屋さん専売とのこと。「テロワール日本酒」を追求している日本酒応援団株式会社さんが創る「KINMIsake」ブランドの中でも、辛口な能登の数馬酒造さんによって作られた日本酒。
テロワールとは、 フランス語で「地球」や「土地」を表す “terre” から派生した言葉で、その土地ならではの”味わい”という感じと、僕は解釈している。
お酒を口に入れるたびに、能登の景色が広がる。
テロワールを謳っているので、酒米も石川県産の五百万石、48%まで磨いている。
このお酒のポイントは、「生酒」。
火入れを行わずに、蔵で醸造されたまま、麹菌が生きている状態で瓶詰めされている。そのため、冷蔵庫保管必須。(生酒と火入れについて詳しくはこちら)
さらに、「しずく斗瓶取り」であること。
斗瓶は、”とびん”と読む。”しずく”とあるので、発酵してできた醪(もろみ)を、酒袋に入れて、自然の重みだけで、滴り落ちるお酒を集めて、火入れせずに瓶詰めしたのが、このお酒になる。
しずく取りとも言われるが、メリットは、加圧しないので、余分な成分が押し出されることなく、華やかでありつつも、繊細な味わいのお酒になる。一方で、手間も時間も必要になり、作れるお酒も少量となる。
生酒なので、同じ月の12月製造だ。新鮮なまま瓶になっている。
高島屋 専売とのことなので、高島屋のお酒コーナーで探してみてほしい。
特に、しっかりした辛口がお好みだと、飛び上がる旨さを味わえる。